広告郵便申請とDM発送のトラブル事例

広告郵便申請やDMのトラブル

郵便物の不正差出業者にご注意下さい

郵便差出事情の悪化

2018 年 2 月、青葉郵便局(横浜市青葉区)の元郵便部長とDM発送代行会社「ティーティーオー」の元幹部が郵便物の不正差出しに加担したとして加重収賄と背任の疑いで逮捕、起訴されていますが(郵便不正差出事件)、この事件をきっかけに、広告郵便割引を受けるための申請や郵便局での差出検査が異常なほど厳しくなっています。

【郵便差出事情の悪化例】

  • 広告郵便申請は遅くとも一週間以上前に届け出なければならない
  • 従来、広告郵便申請書への捺印は発送代行会社のもので構わなかったが、
    現在は差出人の捺印が無いと申請を受理してもらえない。
  • これまで広告郵便申請の通っていた案件が審査で却下されるようになった。
  • 広告郵便物差出の際には二重検査が行われるため、差出が終わるまでに
    2時間近く待たされることもある。
  • 大口差出用の「郵便物集荷サービス」が廃止されたため、通数に関係なく
    その都度郵便局に持ち込まなければならない。
  • 規定重量のわずかなオーバーや申請書類のちょっとした不備など、従来なら
    お目こぼしで通っていたものが今は一切融通が利かない。

このように、従来では考えられないほど郵便規定が厳格化されているため、広告郵便申請や郵便物の差出にかかる手間や費用負担は増すばかりです。その結果、同業者の中には、業務を縮小して郵便の取扱いをやめた業者や、廃業する業者まで出てくる始末です。

業界を揺るがす今回の郵便不正差出事件ですが、では、いったいどの様にして不正が行われ、なぜ起こったのでしょうか。

郵便不正差出事件

ダイレクトメールなどの発送業務で数量を実際より少なく計上し、郵便料金を不正に安くした見返りに業者から飲食接待を受けたとして、神奈川県警は 2018 年2 月 15 日、青葉郵便局(横浜市青葉区)元部長の長谷川彰容疑者(52 歳)を日本郵便株式会社法の加重収賄などの疑いで逮捕し、発送代行会社「ティーティーオー」の元取締役山橋政道容疑者(41 歳)も同法の贈賄などの容疑で逮捕しました。さらに元社員の荒井和也容疑者(29 歳)も背任の容疑で逮捕されました。

神奈川県警の発表によれば、長谷川彰元部長は、ティーティーオーから差し出された大量のダイレクトメールが、実際の数量よりも過少に申告されているのを知りながら、適正に検査したように装っていたようです。さらにこの不正の見返りとして昨年 1 月から 8 月にかけて、ティーティーオーの山橋政道元取締役から60万円相当の接待を受けた疑いがあるとのことで、県警は過少計上による正規料金との差額を調べています。

不正差出の手法

長谷川彰容疑者が青葉郵便局の部長職に就いたのは 2017 年4月。後を追うように、ティーティーオー元役員の山橋政道容疑者らが、同局に頻繁にDMを持ち込むようになったようです。日本郵便の規定では、1,000 通以上の持ち込みがあった場合、業者側からのDM申告数量が正しいかどうか検査することになっています。(重量換算)またこの検査には3人の局員が立ち会うことと定められており、長谷川容疑者も就任当初は他の2人の局員とともに検査業務を担っていたものの、徐々に1人で行うようになったようです。差出検査は、業務が忙しい早朝などの時間帯に行うよう長谷川容疑者が設定。周囲には「人手が足りていないから、俺がやっておく」などと伝えていたようです。郵便局員が本来行うはずの検査は、DMの数量の確認を山橋容疑者と荒井和也容疑者が行い、その数値の記録を長谷川容疑者が聞き取って検査報告書にまとめていた。また、神奈川県警によれば、ティーティーオーは周囲に怪しまれないよう、実体のない複数のダミー会社をつくるなどして会社名を変えてDMを持ち込んでいたようです。

なぜ不正差出事件は起きたのか

長谷川容疑者は 2010 年ごろから、山橋容疑者からキャバクラに誘われていたとみられています。長谷川容疑者が 2014 年 4 月に宮前郵便局(川崎市宮前区)、2017 年 4 月に青葉郵便局に転勤してからもその関係は続いていたようです。

一方で長谷川容疑者の逮捕容疑は、青葉郵便局時代など 2017 年 1~8 月の分についてのみ。沖縄県などへの旅行やゴルフ、県内のキャバクラ代など計約 60 万円分の接待を受けていたようです。不正検査による日本郵便の被害額は十数億円に上るとみられることを念頭に、関係者からは「60 万円では割に合わない。(未立件の)別時期にもいい思いをしていたはずだ」との声も上がっているそうです。

過去の不正差出事件

DM発送をめぐる不正は後を絶ちません。2012 年、滋賀県の郵便局の課長代理がDMの数を少なく数えて料金を安くする見返りに現金を受け取ったとして、収賄の疑いで逮捕されています。2015 年には、新潟県の長岡郵便局で発送代行業者から差し出された別納郵便物について調査した結果、約 27 億円分の郵便料金の収納不足が発覚しました。さらに 2016 年には東京・足立区の郵便部長が発送代行業者から受注したDMの数を実際より少なく見積もる不正が発覚しています。

DM 発送をご予定のお客様へ

DM を発送する際、2,000 通を超える郵便物は広告郵便割引や区分割引等を利用して定価よりも安い料金で送ることが出来ます。 但し、その割引率は郵便法で定められており全国一律です。つまり、郵便料金は本来どこの発送代行業者で出しても一緒のはずなのです。

それにもかかわらず、中には、正規の郵便料金よりも安い料金を提示し営業活動している業者があります。その様な業者は、ティーティーオー同様、不当な方法で郵便料金の支払いを免れている恐れがありますので、発送代行会社の選定には十分ご注意下さい。

【日本郵便株式会社法】

日本郵便の業務や罰則を定めた法律。職員が賄賂を受け取るなどして不正な行為をした場合は 5 年以下の懲役、賄賂を贈るなどした側は 3 年以下の懲役または100 万円以下の罰金と規定している。平成 24 年に日本郵政グループの郵便局会社と郵便事業会社が合併して日本郵便になったことに伴い、郵便局株式会社法が日本郵便株式会社法となった。

【重量換算】

同一形状かつ同一重量の郵便物が差し出された場合に、計数機等を使用して郵便物の総重量を計測し、この総重量を1通当たりの平均重量で割って全体の差出通数を算出する方法。大口引受窓口に差し出された場合や、1,000 通以上の郵便物が差し出された場合には、すべて重量換算を行うことになっている。

信書の誤った送達が企業リスクに!/ NHKの郵便法違反から学ぶDM発送の注意点

「郵便規定基準」「広告郵便の承認審査」
大変厳しくなっております。

「郵便規定基準」「広告郵便の承認審査」が大変厳しくなっております。
最近、郵便規定に関して日本郵便の指導が厳しくなり、郵便はがき料金の適用や広告承認の得られないケースが発生しております。 広告郵便などの割引を自社で申請される場合はぜひ事前にご相談下さい。

【郵便局Webサイト】

広告郵便でのトラブル事例

TROUBLE
01
ハガキ印刷物に「POST CARD」「郵便はがき」の表記がない場合、通常1通当たり
63円の郵便代が84円になると指摘され、 1通当たり21円余分に請求された。
定形郵便物の中でも通常ハガキ郵便物には「POST CARD」「郵便はがき」の表記をハガキ本体の上辺か左辺に表記 しなければなりません。 局によっては「POST CARD」「郵便はがき」の表記がないと定型郵便物(封書扱い)になり差額を請求されることもあります。
TROUBLE
02
宛名面が小さいズラシ折の圧着ハガキで宛名面に「POST CARD」の表記を
入れていたら広告承認審査でズラシ部分に表記するように指示された。
圧着ハガキ等の場合、面積の一番大きい面がハガキ本体として扱われます。
ハガキ本体に「POST CARD」「郵便はがき」の表記をしなければなりません。
表面・左側ズラシが一般的です。
ズラシ部分の中央に「POST CARD(又は郵便はがき)」を記入してください。

上の例と同じく圧着ハガキ等の場合、面積の一番大きい面がハガキ本体として扱われます。
コーナーカットをした面は小さくなりますので裏面に加工しなければなりません。
上記をはじめとした郵便局による承認・規定基準についてのトラブルを避けるためにも、ぜひDM専門のジャパンメールをご利用下さい。
TROUBLE
03
差出人名もしくは還付先の表記を忘れずに!
転居や宛先不明等の理由でダイレクトメールが戻ることはよくあります。その際の還付先としてダイレクトメールに差出人の所在地を明記することが義務付けられています。
「差出人」と「還付先」 について