SNSで頻繁に目にするDM(ダイレクトメッセージ)。DMには、SNSの「ダイレクトメッセージ」以外にも、広告や販促を目的に郵送やメールを送る「ダイレクトメール」の意味もあるなど、用途や意味が多岐にわたります。
今回は、SNSのメッセージ機能としてのDM(ダイレクトメッセージ)にフォーカスし、
LINE・X(旧Twitter)・Instagramなど主要SNSのDM機能や特徴、メリット・デメリット、
さらに営業・販促に活用する際の注意点やポイントをご紹介します。
SNSでの販促方法や顧客とのコミュニケーションに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
そもそもDMとは?
そもそもDMには、「ダイレクトメッセージ」と「ダイレクトメール」の2つの意味があります。
ひとつは、LINE・X(旧Twitter)・Instagram・FacebookなどのSNS上で、特定の相手と個別にやり取りできるメッセージ機能である「ダイレクトメッセージ」。
もうひとつは、企業が個人・法人宛てに送る広告郵便物やEメールなどの「ダイレクトメール」です。
本記事では、前者のSNSにおけるDM(ダイレクトメッセージ)について解説します。
SNSのDM(ダイレクトメッセージ)とは?
SNSにおけるDM(ダイレクトメッセージ)は、連絡を取りたい相手の電話番号やメールアドレスを知らなくても、各種SNSで繋がることができれば直接やり取りできるメッセージ機能です。
特定の相手やグループ内でメッセージを送り合うことができ、やり取りは他のユーザーには見ることができません。
広告郵便物やEメールなどのDM(ダイレクトメール)は、企業の販促で利用されますが、SNSのDMは個人間で利用されることが一般的です。
DM(ダイレクトメッセージ)が使える主要SNSと特徴比較
DM(ダイレクトメッセージ)が利用できるSNSは多くありますが、ここでは、主要なSNSごとのDMの使われ方や特徴、利用ユーザー層について比較してみましょう。
SNS | 種類 | 特徴 | 年齢層 |
---|---|---|---|
LINE | チャットコミュニティ型 | チャットアプリ。「友だち追加」後にメッセージが可能。グループDMも対応。 | 全世代 |
X(旧Twitter) | 文章投稿型 | テキスト中心のSNS。「フォロー」関係にあればDMが送れる。 | 10代~20代 |
画像投稿型 | 写真・動画中心のSNS。フォロー中のユーザーにメッセージを送れる。 | 10代~30代 | |
文章投稿型 | 実名登録制のSNS。「友達申請」でつながればDMが可能。ビジネス利用も多い。 | 30代〜60代 | |
TikTok | 動画投稿型 | 動画SNS。相互フォロー間でDM可能(制限あり)。 | 10代〜20代 |
この他、画像投稿型のPinterestや、チャットコミュニティ型のDiscordなどにもDM機能がありますが、国内での一般的な活用は限定的です。
主要SNSのDM機能の使い方(条件・注意点)
DM(ダイレクトメッセージ)の概要や種類が分かったところで、主要SNSのDM機能の使い方や活用例についてご紹介します。
SNS | DMの利用条件 | 注意点 |
---|---|---|
LINE | 友だち追加が必要/ブロックされていると不可 | 一斉送信や営業DMは通報対象/LINE公式アカウント推奨 |
X(旧Twitter) | 相互フォロー or 相手がDM受信設定をONにしている場合 | スパム扱い・凍結のリスクあり/営業DMは慎重に |
誰でも送信可能(リクエスト扱い) | メッセージリクエスト未承認のまま読まれないことも | |
Facebook(Messenger) | 友だち追加 or メッセンジャー経由でリクエスト送信 | スパム行為で制限される/公式ページ連携が安全 |
TikTok | 相互フォローが必要、16歳以上などの制限あり | 営業DMは非推奨/アカウント制限のリスク大 |
LINEのDM(個人アカウント)
気軽にやり取りできる/既読がつく/スタンプ送信なども◎。
【DMが使える条件】
友だち追加が必要です。相手がブロックしてるとDMできません。
【相手の承認要請】
不要(友だち登録が前提)
【送れるもの・送れないもの】
テキスト、画像、動画、スタンプ/制限なし
【グループチャット機能】
あり(LINEグループ)
【既読の有無】
あり(既読マーク表示)
【文字数制限】
制限なし
【改行】
改行OK/相手にもそのまま反映/段落使える
注意点:営業や宣伝目的でのDM送信は「迷惑行為」として通報されるリスクがあり、LINE公式アカウントでの配信が推奨されています。
X(旧Twitter)のDM
テキストメイン/絵文字OK/改行も自由にできます。
【DMが使える条件】
原則「相互フォロー」でDMが可能です。ただし、相手が「誰からでもDMを受け取る」に設定していれば一方的なメッセージ送信は可能です。
【相手の承認要請】
不要(ただし設定により制限あり)
【送れるもの・送れないもの】
テキスト、画像、GIF、動画/一部の外部リンクは警戒されやすい
【グループチャット機能】
あり(最大50人)
【既読の有無】
なし(誰が読んだかはわからない)
【文字数制限】
10,000文字
【改行】
改行OKだが、改行も文字数に含まれる
注意点:広告・スパムDMは凍結対象になるケースもあり、特にリンク付きDMは特に警戒されやすいです。
InstagramのDM
画像・動画送信もOK/既読がつく/ビジネスアカウントは絵文字・テンプレ送信も可能です。1対1のDMでのみ、24時間後にメッセージのやり取り自体が自動削除される「消えるメッセージ」機能もあります。
【DMが使える条件】
相互フォロー不要で、誰でもDM可能です。ただし、フォロー外の場合は「メッセージリクエスト扱い」になります。
【相手の承認要請】
リクエスト承認が必要な場合あり
【送れるもの・送れないもの】
テキスト、画像、動画、スタンプ、ボイス/制限なし
【グループチャット機能】
あり(最大250人)
【既読の有無】
あり(リクエスト承認後は既読確認可)
【文字数制限】
1,000文字前後
【改行】
改行は反映されるが改行が多いとエラーになることあり
注意点:広告や営業DMは迷惑がられてしまうことが多く、また、メッセージリクエストのままだと送ったメッセージが相手に読まれないこともあります。
FacebookのDM(Messenger)
長文もOK/既読確認/画像・ファイル送信も可能です。
【DMが使える条件】
友達申請後、Messenger経由でリクエストとして届きます。
【相手の承認要請】
リクエスト承認が必要
【送れるもの・送れないもの】
テキスト、画像、ファイル、スタンプ/大容量ファイルは不可
【グループチャット機能】
あり(Messengerのグループ機能)
【既読の有無】
あり(Messengerにて既読表示)
【文字数制限】
最大20,000文字(長文対応◎)
【改行】
改行OK/Messengerでは段落構造も保たれる
注意点:スパム認定を受けるとメッセージ制限対象になります。ビジネス利用の場合は、Facebookページ+Messenger連携がおすすめです。
TikTokのDM
テキスト/絵文字の利用が可能です。ただし、画像・動画は送れません。若年層向けのSNSなので営業活用には不向きです。
【DMが使える条件】
原則「相互フォロー」でDMが可能です。ただし、相手が「誰からでもDMを受け取る」に設定していればDM可能です。16歳以上の年齢制限あり。
【相手の承認要請】
必要(相互フォロー+年齢制限あり)
【送れるもの・送れないもの】
テキスト、絵文字/画像・動画は不可
【グループチャット機能】
なし
【既読の有無】
なし
【文字数制限】
500文字前後(制限あり/短文想定)
【改行】
改行非対応でエラーになるorまとめて1行になる可能性あり
注意点:スパム行為や不適切なDMは即通報されやすいため、営業活用はおすすめしません。
DM(ダイレクトメッセージ)のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
|
|
メリット1:個別にやり取りができる
SNSのDM機能は、不特定多数に公開される投稿とは異なり、他人に見られずに1対1の「非公開メッセージ」が可能です。他人には知られたくない内容でも安心してやり取りでき、フォローの有無にかかわらず気軽にDMを送れるので、ちょっとした問い合わせにも活用できます。企業アカウントでも、顧客との信頼関係構築に役立つ手段として注目されています。
メリット2:メッセージが開封されやすい
SNSのDM機能は、相手のスマホやアプリに「通知」として届くため未開封のままスルーされることが少ないというメリットもあります。投稿やリプライに比べて見逃されにくく、すぐに開封される可能性が高いため、企業のキャンペーン案内や顧客のフォローアップにも効果的です。
メリット3:親密さを演出できる
テキストだけでなく、画像・動画・絵文字・スタンプなどを使えるのもSNS DMの大きな魅力です。ビジネスシーンでも、相手に親しみやすさや柔らかさを演出できるため、距離感を縮めたい場面に最適です。特に、LINEやInstagramなど日常的に使われているSNSであれば、営業色を感じさせず自然にアプローチできるのもメリットです。
メリット4:ビジネスシーンで幅広く活用できる
営業活動以外にも、SNS DMはさまざまなビジネスシーンで活用されています。
例えば、キャンペーン当選結果の連絡や問い合わせへの返信、商品購入後のフォローアップなどです。顧客との距離を縮めながら、購買やリピートにつなげる手段としても大変有効です。
SNS DMは気軽に送れる反面、相手の許可なく送ると「営業・勧誘」と受け取られやすい側面もあります。特に、X(旧Twitter)やInstagramでは不審なDMが増えていることもあり、企業や個人からの営業メッセージはスパム扱いされるケースも。
DMを送る前には、相手のアカウント情報や関係性を確認し、一方的なアプローチにならない工夫が必要です。
SNSのDMは開封されやすい一方で、「メッセージは見たけど返信しない」既読スルーが多くあります。特に、フォロワー外からのメッセージや承認制のSNSでは、そもそもDMが届いていない可能性もあるため注意が必要です。
SNSによっては、一度に送れるメッセージ数や文字数に制限があります。また、URLやファイルが制限されたり改行がされなかったりと、思うように相手に情報を伝えられないケースも。営業や案内を効率よく行いたい場合には、各SNSの仕様を事前に把握しておくことが重要です。
DMでのやり取りは非公開ですが、内容がスクリーンショットで拡散されるケースもあります。また、相手に不快感を与えるような内容だった場合、通報されたり、アカウント停止の対象になることも。ビジネス利用では、丁寧な言葉遣いや適切な距離感を意識するようにしましょう。
SNS DMは営業・販促に使える?注意点とコツ4つ
1:個人アカウントから送るのはNG
SNSのDMを営業や販促目的で活用する際は、個人アカウントからメッセージを送るのはNGです。受け取り側からすると「突然知らない人から営業メッセージが来た」という印象になりやすく、スパム認定・ブロック・通報の対象になる可能性があります。
気軽にやり取りできてしまうSNS DMでは受け取り側の警戒心を和らげることが重要ですので、信頼性のある企業公式アカウントや、活動実績・情報発信が充実したアカウントから送るようにしましょう。
2:“1対1の接客”であることを意識する
SNS DMをビジネス活用する際は、“1対1の接客”であることを意識するのがポイントです。
いきなり営業文を送りつけるのではなく、「◯◯の投稿を拝見してご連絡しました」「ご興味があればぜひご覧ください」など配慮ある導入や言葉選びが大切です。
企業や店舗の公式アカウントであれば、プロフィールに
- サービス概要
- 企業WebサイトのURL
- 問い合わせ窓口
などを明記しておくとメッセージの信頼度が上がりやすくなります。
3:文面と配信タイミングを配慮する
内容が押しつけがましかったり、受け取り側にとってタイミングの悪い時間にDMをしてしまうと炎上のリスクが高まります。
【炎上のリスクが高まるケース】
- 深夜や早朝など通知が迷惑に感じられる時間帯
- 相手との接点がまったくない状態でのDM
- 一方的な案内のみでセールス感が強い内容
上記のケースは、マイナスな印象を与える可能性が大いにあります。
SNS DMで販促活動を行う際は、
- 事前にアカウントをフォローして関係性を築いておく
- 初回メッセージはあくまで“ご案内”程度にとどめる
- 一度送ったあとは、しつこく追いメッセージしない
など、節度のあるアプローチを心がけましょう。
4:DM施策は手法ごとの特性を理解してチョイスする
SNSのDMはその手軽さや即時性が魅力ですが、すべての営業用途に適しているとは限りません。
【DMの種類とビジネス用途】
項目 | SNS DM | EメールDM | 郵便DM |
---|---|---|---|
開封率 | 非常に高い | 20〜32% | 75.1% |
反応率 | 公式なデータなし | 1.3% | 20.8% |
対象 | BtoCが多い | BtoB・BtoC | BtoB・BtoC |
顧客情報の有無 | なくても送れる | ないと送れない | なくても送れる |
向いている内容 | カジュアルな内容 | カジュアルな内容 | 信頼性を高めたい場合 高単価商材を訴求する場合 |
たとえば、企業や自治体などが信頼性の高い情報を届けたい場合や、高単価な商材を丁寧に案内したい場合は、デザイン性が高く“特別感”を演出できる、現物が手元に届く郵送DMが有効なケースもあります。
DM施策を検討する際は、目的に応じてそれぞれの手法を柔軟に組み合わせていくことが重要です。
まとめ
今回は、SNSのメッセージ機能としてのDM(ダイレクトメッセージ)にフォーカスし、
LINE・X(旧Twitter)・Instagramなど主要SNSのDM機能や特徴、メリット・デメリット、
さらに営業・販促に活用する際の注意点やポイントをご紹介しました。
SNS DMは即時性やカジュアルさに優れる一方で、相手との関係性やメッセージ内容によってはスパムと捉えられるリスクもあるため、配信目的や内容に応じた適切な使い分けが重要です。目的やターゲットに応じて、Eメールや郵送DMと組み合わせた施策を検討することで、より効果的なコミュニケーションが実現できます。
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