EメールDMとは?電子メールで送るDMの開封率とメリット・デメリット、活用のポイントを徹底紹介

EメールDMとは?

DM(ダイレクトメール)には、紙媒体で送る「郵送DM」のほか、電子メールで届ける「EメールDM」もあります。EメールDMは、送信ボタンひとつで多くの相手に一斉配信できるため、今や企業のマーケティング施策に欠かせない手法のひとつです。
今回は、EメールDMの概要や郵送DMとの違いに加え、開封率やメリット・デメリット、おすすめ業種、EメールDM活用のポイントをご紹介します。例文テンプレートも合わせてご紹介しますのでご参考にしてみてください。

EメールDMとは?

EメールDMとは、顧客のメールアドレス宛に、自社のサービスや商品情報、イベント案内などを送信する電子メール形式のダイレクトメールです。

メール内にWebサイトへのリンク(URL)を設置し、「購入」や「申し込み」などのアクションを促す目的で配信されるほか、顧客への情報提供を目的とした「メルマガ(メールマガジン)」なども含まれます。

郵便DMとの違い

EメールDM 郵便DM
コスト 低コスト 印刷・郵送費がかかる
即時性 ◎(送信後すぐに届く) △(制作・発送に時間がかかる)
印象・記憶 他のメールに埋もれる可能性あり 実物が届くため印象に残りやすい
効果的な場面 Web誘導、キャンペーン、クーポン、速報系など フォローDM、挨拶状、Web誘導、
キャンペーン、クーポン、高単価商材など
開封率 20〜32% 75.1%

EメールDMは、郵便DMとは異なり、DM送付にかかるコストが安いという特徴があります。また、電子メール送信なのですぐに顧客の元に届けることができる点も大きな違いです。

ただし、実物が顧客の元に届けられる郵便DMに比べるとEメールDMは印象に残りにくいというデメリットもあります。そのため、開封率は郵便DMが58.5%に対して、EメールDMは20〜32%程度となっており、開封率・反応率が低い傾向があります。
次項でEメールDMの開封率・反応率について詳しく見ていきましょう。

EメールDMの開封率・反応率の目安

EメールDMの開封率・反応率の目安

米国発のメール配信システム「BENCHMARK」が2024年に発表した平均メール開封率・クリック率レポート2024年度版によると、日本におけるEメールDMの平均開封率は31.75%、メールに記載のURLをクリックした割合を示す反応率(クリック率)は1.3%とあります。
また、国内のメールDM配信ツールを提供する「Cuenote」の記事によると、日本におけるEメールDMの平均開封率は約20%とされています。

業界別の開封率・反応率の目安は以下の通りです。

【業界別|EメールDMの開封率・反応率】

業界 開封率 反応率
広告/マーケティング/PR/メディア/デザイン 26.41% 1.60%
建築・建設 16.86% 0.81%
観光/エンターテイメント/ホスピタリティ 27.59% 1.30%
コンサルタント/HR/人材 20.33% 0.94%
ファイナンス 17.94% 0.75%
医療 28.14% 1.80%
保険 17.92% 0.71%
製造/物流/エンジニアリング 17.03% 1.06%
NPO/行政サービス 32.65% 2.59%
不動産 26.65% 2.40%
小売/消費サービス 24.28% 1.34%
教育(小中高) 16.73% 1.02%
教育(大学、社会人) 12.77% 0.54%
テクノロジー/通信 20.33% 1.19%
フィットネス 24.46% 1.27%

引用元:BENCHMARK

業界別に見てみると、不動産やNPO/行政サービス、医療系は反応率(クリック率)が高く、EメールDMで成果が出やすいジャンルといえます。

EメールDMのメリット・デメリット

メリット デメリット
  • 低コスト
  • 手軽でスピーディ
  • 効果測定がしやすい
  • 開封率・反応率が低い
  • 顧客情報がないと送れない
  • デザインや情報量が限られる
  • 埋もれる可能性がある

メリット1:低コスト

EメールDMは、コストがほとんどかかりません。もちろんメール内に記載のURLなどの導線設計は必要になりますが、メール自体は0円で送信できるためダイレクトマーケティングの手法のなかで最もコストパフォーマンスに優れています。

メリット2:手軽でスピーディ

郵便DMは、郵便物のデザインや印刷、封入などの発送作業が必要になりますが、EメールDMは顧客のメールアドレスさえ分かれば、情報を即時届けることができる手軽さがあります。

メリット3:効果測定がしやすい

EメールDMは、送ったDMに対しどのくらいレスポンスがあったのか?を計測しやすいというメリットがあります。メール内のURLをクリックされたかどうかなどを数値で簡単に計測できるため、効果測定がしやすくPDCAを回しやすくなります。

デメリット1:開封率・反応率が低い

EメールDM 郵便DM※
開封率 20〜32% 75.1%
反応率 1.3% 20.8%

※郵便DMの開封率・反応率のデータ引用元:DMメディア実態調査2023

EメールDMは、郵便DMに比べて開封率・反応率のいずれも低いというデメリットがあります。郵便DMでは、DMを受け取った人が「ネットで調べる」「店舗に出かける」など、何らかの行動を起こした割合を反応率として算出しますが、EメールDMの反応率(クリック率)はわずか1.3%程度とされており、郵便DMの約20分の1という大きな差があります。

デメリット2:顧客情報がないと送れない

EメールDMはメールアドレスが手元にある顧客宛てにしかDM送付できないため、メールアドレスを入手する施策が必要なうえ、アドレスが分からない潜在顧客にはアプローチできないというデメリットがあります。

一方郵便DMは、名前や住所、メールアドレスなどの顧客情報が無くても、見込み客が多く住んでいる地域に絞ってDMを送付することができるため、潜在顧客へアプローチしやすくなっています。

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デメリット3:デザインや情報量が限られる

郵便DMは、紙質・形状/デザイン/画像/サンプル送付/QRコード付きなど、様々な形で顧客へネクストアクションを促す施策を盛り込めますが、EメールDMは電子メールで送付するDMなので郵便DMに比べ訴求できる情報量が限られます。

デメリット4:埋もれる可能性がある

顧客の元には、日々多くのEメールDMが送られてきます。そのため開封される可能性が低く、さらには「うっとおしい」という悪印象を持たれてしまう場合もあります。また、迷惑メールフォルダに配信されてしまうことも留意しておきましょう。

EメールDMを送る際は、配信頻度や配信内容を事前に十分に検討する必要があります。

EメールDMはこんな業種におすすめ!

【反応率が高い業種ベスト5】

業界 開封率 反応率
1 NPO/行政サービス 32.65% 2.59%
2 不動産 26.65% 2.40%
3 医療 28.14% 1.80%
4 広告/マーケティング/PR/メディア/デザイン 26.41% 1.60%
5 小売/消費サービス 24.28% 1.34%

【反応率が低い業種ワースト5】

業界 開封率 反応率
1 教育(大学、社会人) 12.77% 0.54%
2 保険 17.92% 0.71%
3 ファイナンス 17.94% 0.75%
4 建築・建設 16.86% 0.81%
5 コンサルタント/HR/人材 20.33% 0.94%

先述した通り、EメールDMは不動産、NPO/行政サービス、医療系など、反応率(クリック率)が高く成果につながりやすい業種で特に効果的です。

これらの業種は、顧客にとって有益な情報を提供するコンテンツやキャンペーン案内がユーザーの興味を引きやすく、メール経由でのアクションにもつながりやすいという特徴があります。

一方で、保険やファイナンスなどの業種は、開封されてもクリックされにくい傾向があり、EメールDM単体では反応が得にくい業種です。このような場合は、郵送DMと組み合わせた“クロスメディア施策”が効果的です。

EメールDM活用|7つのポイント

EメールDMを有効活用するためには、これからご紹介するポイントを抑えると良いでしょう。

1:配信頻度は週1回以下が目安

国内のメールDM配信ツールを提供する「Cuenote」が、全国の男女1,138人を対象に実施した「迷惑と感じてしまうメール配信頻度のアンケート」結果によると、

  • 週2~3通以上を迷惑と感じる人:13.8%
  • 週1通以上を迷惑と感じる人:4.6%
  • 月1通を迷惑と感じる人:0.9%

という結果になっています。
配信頻度が多すぎると、配信解除や迷惑メールフォルダへの振り分けにつながるリスクが高まるため、EメールDMは「週1回程度以下」を目安に配信するようにしましょう。

2:配信時間はターゲットに合わせる

タイムレスで送れるEメールDMですが、顧客の手元に現物が届き、顧客のタイミングで開封できる郵便DMとは異なり、メールを読んでもらうには配信する時間をターゲットに合わせて設定することが大変重要です。

  • 主婦層がターゲットの場合:家事や育児がひと段落した昼過ぎ〜午後
  • 会社員がターゲットの場合:昼休憩の時間や帰宅時間
  • 経営者がターゲットの場合:週末(日曜日)や朝方 など

このようにターゲットに合わせた時間設定を行わないと、開封されずに他のメールに埋もれてしまうリスクがあります。また、一括削除や迷惑メール扱いになる可能性もあるため、配信時間の戦略設計が重要です。

3:顧客に役立つ情報を配信する

メールマガジンの購読をつつけたいと感じるのはどんな時ですか?

画像引用元:Cuenote

メールDM配信ツールを提供するCuenoteのアンケート結果によると、顧客がメルマガの購読を続けたいと感じる時は、「お得・セール情報が届いたとき」「自分や会社にとって役立ちそうな情報が届いたとき」と解答した人が多くいました。

これはメルマガ調査の結果ですが、EメールDMも例外ではなく、顧客にとってメリットがある内容を配信することで開封率・反応率が高まります。

EメールDMを配信する際は、キャンペーン情報やクーポン配布、お役立ちコンテンツなど顧客に役立つ内容を配信するようにしましょう。

4:件名・プリヘッダーテキストは魅力的な文言にする

件名・プリヘッダーテキストは魅力的な文言にする

郵便DMはテキストだけでなくDMの形状やデザインで開封を促す工夫ができますが、EメールDMはテキストベースなため、開封したいと思わせるような件名・プリヘッダーテキストの工夫が必須です。

件名は14〜20字以内がベストです。プリヘッダーテキストはタイトルを補完するような開封を促す一文を入れるようにしましょう。
いずれも、〇%OFFやキャンペーン名、「〇月〇日まで」「〇〇時まで」など緊急性や具体的な日時などを盛り込むのがおすすめです。

5:バナーを盛り込む

バナーを盛り込む

テキストベースのEメールDMですが、インパクトや訴求効果を高めるためにはメール本文に画像バナーを入れるのも有効です。

「スクロールしてもっと読みたい」と思わせるような、顧客にとってのメリットやキャンペーンを魅力的に訴求するデザインにしましょう。

メールを開封した時のインパクトが重要なので、画像バナーはタイトル下に入れましょう。

6:郵便DMと組み合わせる

近年では、EメールDMやWeb広告などのデジタル施策と、アナログな郵便DM*組み合わせた“クロスメディア戦略を実施する企業が増えています。

たとえば、郵便DMを送付した後に「DMはご覧いただけましたか?」というフォローのEメールを配信したり、メールアドレスが分からない潜在顧客層に対しては、郵便DMで初回の接点作りを行うなどのアプローチ方法があります。
EメールDMはどうしても一斉送信の印象を持たれやすいというデメリットがありますが、デザイン性の高い郵便DMで“特別感”を演出しながら、EメールDMで再アプローチすることで、効果的な顧客導線を設計できます。

7:EメールDMのテンプレート例文(目的別)

目的別にEメールDMのテンプレート例文をご紹介しますので参考にしてみてください。

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既存顧客へのフォロー・リピート促進

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本文 こんにちは、〇〇株式会社です。
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お客様のご意見やご感想をぜひお聞かせいただけるとうれしいです!

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上記のテンプレートをベースに、絵文字でキャッチーさを演出したり画像バナーでインパクトを与えるなどの工夫をしてみましょう。

まとめ

今回は、EメールDMの概要や郵送DMとの違いに加え、開封率やメリット・デメリット、おすすめ業種、EメールDM活用のポイントをご紹介しました。

EメールDMは、低コストで即時配信ができるマーケティング手法として、多くの企業で活用されています。

一方で、埋もれる可能性が高いため開封率・反応率は低く、メールアドレスが分からない潜在顧客にはアプローチできないというデメリットもあります。
郵便DMと組み合わせたクロスメディア施策を実行することで、これらのデメリットをカバーでき、効果的に顧客にアプローチが可能です。

EメールDM施策でお困りの方や、郵便DMとあわせた戦略をご検討中の方は、DM発送代行のプロ|弊社ジャパンメールまで、ぜひお気軽にご相談ください。

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