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「クロネコDM便」2024年1月31日に終了し新サービスへ

クロネコゆうメールのお知らせ

ヤマト運輸と日本郵便が本格協業で新サービスを開始

本日、日本郵政と日本郵便、ヤマトホールディングスは、持続可能な物流サービスの推進を目的とした協業について基本合意書を締結したと発表しました。

(左から)ヤマトホールディングスの長尾裕社長、
日本郵政の増田寛也社長、日本郵便の衣川和秀社長

【協業の主旨】
(1)両社の経営資源を有効活用することで、顧客の利便性向上に資する輸送サービスの構築と事業成長を図る。
(2)相互のネットワークやリソースを共同で活用することで、物流業界が抱える以下のような社会課題の解決を目指す。
①「2024年問題」(トラックドライバー不足など)の緩和への貢献
②環境問題(カーボンニュートラル)への貢献

この合意の一環として、現在ヤマト運輸が取り扱っている「ネコポス」を2023年10月から順次、また「クロネコDM便」を24年1月31日に終了し、日本郵便が取り扱う「ゆうパケット」「ゆうメール」を活用した新サービス「クロネコゆうパケット」「クロネコゆうメール」(仮称)として、ヤマト運輸での取り扱いが開始されるとのことです。

参考:持続可能な物流サービスの推進に向けた基本合意について(ヤマトホールディングス株式会社)

2024年問題への対策

今回、ヤマト運輸と日本郵便の本格協業が発表されましたが、すでに2021年2月からは全国10道県でヤマト運輸が「クロネコDM便」の配達業務を日本郵便に委託していますし、さらに、今後も持続可能な物流サービスを提供するために、両社の経営資源の有効活用に加え、相互のネットワークを共同で活用し、2024年問題や環境問題に立ち向かうということです。

なお、クロネコDM便については、2024年1月31日にそのサービスを終了し、日本郵便の「ゆうメール」を活用した新たなサービスとしてヤマト運輸が取扱いを開始するとのことですが、おそらくこれは、佐川急便の「飛脚ゆうメール便」(佐川急便が窓口として受け取った荷物を、日本郵便が配達するサービス)と同じ仕組みだと考えられます。

引用元:クロネコゆうメール(仮称)オペレーションイメージ図

協業による両社のメリット

物流業界第1位に君臨するヤマト運輸の主力商品はあくまで「宅急便」であって、その取扱個数は業界2位の佐川急便や業界3位の日本郵便を大きく引き離しています。ところが、メール便では逆に圧倒的な差をつけられており、ヤマト運輸のDM便取扱冊数が8億2,400万冊なのに対し、日本郵便のゆうメールはその約4倍の33億4,600万冊です。

引用元: 令和3年度メール便取扱冊数(国土交通省調べ)

ヤマト運輸にとってDM便は単価の低い中核事業であり、令和3年度の取扱冊数も前年割れするなど伸び悩んでいました。一方、EC市場の拡大によって今後も宅急便の需要は増加することが見込まれています。ヤマト運輸にすれば、DM便の配達業務を日本郵便に完全委託することで主力商品の宅急便に注力でき、より経営効率化が図れます。

日本郵便にしても、ヤマト運輸のDM便を取り込み、郵便物配達の積載率を高めることは収益改善に繋がるため、正に両社にとってはウィンウィンだったのではないでしょうか。

過去には、ヤマト運輸が当時の郵政公社に対し、独占禁止法違反で東京地方裁判所に提訴していますし、「信書」問題を巡ってもヤマト運輸は日本郵政をたびたび批判するなど犬猿の仲といわれていました。しかし、これまでのことは水に流し、競合関係から協業関係へ乗り出さなければならないほど2024年問題は深刻化しているといえるのではないでしょうか。

唐突な発表で現場は混乱も

ヤマト運輸と日本郵便の本格協業による「ネコポス」や「クロネコDM便」の終了は、DM発送代行業界にとっても大変重大なニュースなのですが、残念ながら事前には全く知らされていませんでした。
それどころか、ヤマト運輸の担当支店に問い合わせたところ、「私たちも先ほどネットニュースで知りました。」「上から事前通達はありませんでした。」「料金や仕様など具体的なことは何も決まっていません」という回答で、現場もかなり混乱している様子でした。

従いまして、クロネコDM便に代わる新サービスの詳細や料金など今のところ全く不明ですが、分かり次第随時お客様にお知らせして参りますので、大変恐れ入りますが今しばらくお待ち下さいますようお願い申し上げます。

株式会社ジャパンメール
代表取締役 粕谷 秀樹