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【第25回】知らないと危険な信書の豆知識

2015年3月末をもって廃止されたヤマト運輸のクロネコメール便ですが、その廃止の理由についてニュースリリースにはこのように記載があります。

“「信書」の定義がお客様に分かりにくいにも関わらず、信書をメール便で送ると、荷物を預かった運送事業者だけでなく、送ったお客様までもが罰せられる事が法律に定められてます。 (中略) 法違反の認識がないお客様が罪に問われるリスクをこれ以上放置する事は、当社の企業姿勢と社会的責任に反するものであり、このままでの状況では、お客様にとっての「安全で安心なサービスの利用環境」と「利便性」を当社の努力だけで持続的に料率することは困難であると判断し、クロネコメール便のサービスを廃止する決断に至りました。”

ヤマト運輸クロネコメール便廃止について:https://www.yamato-hd.co.jp/news/h26/h26_73_01news.html

このように利用者に悪意がないとしても、知らないうちに法律に抵触してしまう場合があるのです。例えば都会で暮らす息子の為に、実家の母親からお米や野菜を送り、そこに手紙が同封されている、このようなケースはどうでしょうか。よくありそうな事ではないでしょうか。実は、郵便法に抵触するおそれがあり、最悪の場合3年以下の懲役、もしくは300万円以下の罰金となる可能性もあるのです。
実際に、2010年迄の5年間に郵便法違反の事例は79件あり、うち3件は書類送検までされているのです。
知らないでは済まない信書についてのルールについて事例をふまえて紹介していきます。

信書とは

まず信書とは何でしょか。郵便法及び信書便法によると「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文章」とあります。

この文章だけでは、意味を理解するのが難しいので重要な語句について説明します。

特定の受取人・・差出人がその意思の表示又は事実の通知を受けるものとして特に定めた者となり、これは個人名はもちろんの事、その記載がないないものであっても、その内容から受取人が省かれていることが分かる場合には包装に記載された宛名によって受取人が具体的になる事から「特定の受取人」に該当します。また受取人は民法上の自然人・法人に限定されず法人格や団体や組合なども含まれます。

意思を表示し、又は事実を通知する・・差出人の考えや思いを表し、又は現実に起こり若しくは存在する事柄等の事実を伝える事。

文章・・文字・記号・符号など、人が認識できる情報が記載された紙やその他の有体物。ただし、CD・DVD・USBメモリなどに電子記録媒体は、文書とならないため信書にはなりません。
総務省:信書のガイドライン https://www.soumu.go.jp/main_content/000256700.pdf

信書として送れる物は?

では具体的にはどのようなものが信書・非信書となるのでしょうか。
日本郵便のホームページには下記のようにあります。

信書に該当するもの 信書に該当しないもの
・書状
・請求書の類 納品書、領収書、見積書、願書、申込書、依頼書、注文書 など
・結婚式の招待状、業務を報告する文章
・許可証の類 免許証、認定書、表彰状
※カード形式の資格の認定書なども含む
・証明書の類 印鑑証明書、納税証明書、戸籍謄本、住民票の写し、健康保険証、登記簿謄本、車検証、履歴書、給与証明書、保険証券、など
・ダイレクトメール
文書自体に受取人が表記されている文書
商品の購入等利用関係、契約関係等特定の受取人に差し出す趣旨が明らかな文言が記載されている文書
・書籍の類 新聞、雑誌、会報、手帳、カレンダー、ポスター、作文、研究論文、裁判記録など
・カタログ 専ら街頭における配布や新聞折込を前提として作成されるチラシ、店頭への配布を前提として作成されるリーフレットやパンフレット
・小切手の類 手形、株券、為替証券
・プリペイドカードの類 商品券、図書券、プリントアウトした電子チケット
・乗車券の類 航空券、定期券、入場券
・クレジットカードの類
・会員カードの類 入会証、ポイントカード、マイレージカード
・ダイレクトメール 専ら街頭における配布や新聞折込を前提として作成されるチラシのよなもの、店頭への配布を前提として作成されるリーフレットやパンフレットのようなもの
・その他 説明書の類、求人票、配送伝票、名刺、パスポート、振込用紙

日本郵便:信書に該当するものについて https://www.post.japanpost.jp/question/57.html

これは信書?非信書?実例紹介

信書の基本について説明をしてきましたが、信書の定義については分かりにくく、同じ文章であっても送付する状況や文面のわずかな違いによっても、信書であったりなかったりします。管轄する商務省のホームページには信書についてのQ&A集や、パブリックコメントに対する総務書の信書に対する考え方が掲載されておりますが、これは信書の定義がいかに曖昧なのかを表しております。
実例をもとに信書の定義について考えていきましょう。

実例1

〇〇会員の皆様へ □□マンションにお住まいの皆様へのように個人名ではない文言について信書に該当するでしょうか。

→信書となります。これは文書自体が受取人を特定しており、特定の受取人に対して意思を表示し、又は事実を通知する文書となる為。

実例2

(中略)先日は〇〇化粧品を購入頂き、有難う御座いました。
このように具体的な商品名の記載はどうでしょうか。

→信書となります。差出人と受取人との間に商品の購入等利用関係があることを示す文言が記載されていれば、商品を購入した個々の顧客に対する文書であると歓談ができるので、受取便の表記がなくても該当します。

実例3

会社の支店において受付処理をした顧客からの契約申込書を支店から本社に送付する事は信書に該当するでしょうか。

→どこで処理が完了をするかによります。支店において処理が完了しているのであれば、支店が受け付けた時点で信書の送達が完了することになり、契約申込書をそのまま支店から本社へ送付する場合は信書に該当しません。
尚、受け付けた契約申込書を付記、添付する等により、本社に対して審査をしてほしいという支店の意思等が表示されたものを本社へ送付する場合は信書となります。

実例4

自己の免許証のコピーを送付する事は信書に該当するでしょうか。

→信書に該当しません。 免許証の許可を行う者から、受ける者に対して送付する場合は、特定の受取人に対しての意思を表示し、又は事実を通知する文書であるため、信書となりますが、この免許証を受領した者が、その原本やコピーを他所へ送付する場合は信書の送付に該当しません。

実例5

履歴書の送付は信書になるでしょうか。

→送り方によります。 応募者から会社等に送付する場合は、特定の受取人に事実を通知する文書となる為、信書に該当します。また選考後、合否を通知する書類と同封して当該履歴書返送する場合も信書に該当します。
ただし、当該履歴書のみを返送する場合は、会社等から応募者への意思を表示したり事実を通知する文書ではないため、信書に該当しません。

実例6

宅急便など送る際に添付する納品書や請求書は信書になるでしょうか。

→信書に該当しません。郵便法第4条第3項において、貨物に添付する無封の添え状又は送り状については送達が認められています。
添え状とは・・送付される貨物の目録や性質、使用方法を説明する文書及び当該貨物の送付と密接に関連した簡単な通知文で、当該貨物の従として添えれれるもの。
つまり、1.貨物と一緒に送る 2.貨物が主で添え状が従である 3.添え状の内容が貨物に密接に関連している 4.無封である事が条件となります。
※無封とは、封を閉じられていない、もしくは封筒が透明で見える状態の事を言います。

総務省:信書のガイドラインhttps://www.soumu.go.jp/yusei/111117_01.html

信書の送れるサービス

「日本郵便が配達をするサービスであれば信書を送っても大丈夫」、さらに「民間の運送会社では信書は送れないのではないか」と思われている方も多いいようです。
実は日本郵便でも信書で送れるサービスは限定されています。また民間の運送会社でも平成15年4月に民間事業者による信書の送達に関する法律(信書便法)が施行され、令和2年3月時点で549の事業者が信書便の認可を取得しています。

では具体的に送る方法について説明していきます。
まず日本郵便で信書を送れるサービスはゆうパック、ゆうメール、ゆうパヶット、クリックポスト以外とホームページに記載があります。 
日本郵便:信書の送付について https://www.post.japanpost.jp/service/shinsyo.html
つまり、下記の5つのサービスのみとなります。
・第一種郵便(定型・定形外)
・第二種郵便(ハガキ)
・レターパック
・スマートレター
・EMS

次に、民間の運送会社では佐川急便、日本通運、西濃運輸を含む総務大臣の認可を受けた549事業者で送る事が出来ます。
信書便事業には「一般信書便事業」と「特定信書便事業」の2種類があり認可済みの549事業者は全て特定信書便事業者になります。
「特定信書便事業」とは、その名の通り特定の信書を取り扱う、日本郵便のユニバーサルサービスに支障のない事業領域の役務のみとなります。
※ユニバーサルサービス 社会全体で均一に維持され、誰もが等しく受益できるサービス

役務内容としては下記3つの条件に該当する信書のみの取り扱いとなります。
第1号役務・・大きい又重いサービス 長さ・幅・厚さが90cm以上、重量4kg以上
第2号役務・・早いサービス 差し出してから3時間以内に送達するもの
第3号役務・・高いサービス 料金の額が1,000円を超える役務

このように特定信書便事業では、ある程度大量の信書の運送や、バイク便などの急ぎの信書の配送に適したサービスと言えます。

では「一般信書便事業」とはどういったものでしょうか。
これは手紙やハガキなど、国民生活にとって基礎的なサービスとして軽量で小型の信書便を配達するサービスとなり、日本郵便とほぼ同程度のサービスとなります。
しかし参入には非常に高いハードルがある為、現時点で日本郵便以外の参入はありません。

参入条件

・利用しやすい全国一律料金(25g以内の封書は上限84円)
・全国における原則毎日1通からの引き受け
・週6日以上の配達
・信書便差出箱の設置(約10万本)
・差し出された日から原則3日以内の配達
このように、信書送る方法はさまざまあるものの、軽量な封書等を送る場合は日本郵便の
実質的な独占市場となっています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。信書について事例を含めて説明してみました。
お伝えしたように信書については判断に来なるケースも多く、日本郵便や総務省に問合せても解決されずたらい回しにされる事も多々あります。ですので迷った場合は経験豊富な発送代行会社に相談するのがおすすめです。

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