日本では都道府県や市区町村によって番号が振り分けられています。
また、ヤマト運輸や佐川急便といった宅配業者でも配達に必要な区分けや分類の際に郵便番号は使われています。
郵便番号の歴史
郵便番号は1857年にロンドン市内を10に地区分けし、
それぞれにアルファベット文字やコードを振り分けた事から始まりました。
このシステムは1864年にはリバプールで追うように導入され、その後第一次世界大戦を皮切りにイギリスからヨーロッパ各地の大都市に広がっていきました。
但し、当時は大都市の中での区分けであり、国全体の全ての地区にコードは振り分けていませんでした。
小規模な都市や全国に振り分けられた郵便番号システムは、ウクライナで1932年11月に初めて導入され、
その後はドイツで1941年、アルゼンチンで1958年、イギリスで1959年、アメリカ合衆国で1963年、スイスで1964年と導入されていきました。
日本では郵便事業の省略化を図る為に1968年7月に3桁(000)もしくは5桁(000-00)の郵便番号が導入されました。
この郵便番号は集配事務を行う郵便局に対して振り分けられた番号で当時輸送手段のメインであった鉄道路線を用いた郵便輸送の路線や経路の駅順を基に大規模局では3桁、それ以外の局は5桁の番号でありました。
因みに現在のような郵便番号7桁発祥の地は川越西郵便局になります。
1998年2月にはそれまでの郵便番号の末尾に4桁を付け加えた7桁(000-0000)となり、現在のような郵便番号になりました。
郵便番号7桁化に伴い、旧制の5桁仕様の封筒やハガキに貼り付ける事が出来る、新郵便番号枠シールが郵便窓口で1997年11月~1998年にかけて無料配布もされました。
1998年12月までに旧制の5桁郵便番号枠の封筒やハガキといった製品全てが7桁郵便番号枠仕様に切り替えられ、郵便番号7桁化が完了しました。
7桁化によって郵便の集配は格段に効率化されたと言われています。
郵便マークの「〒」の由来
郵政民営化以前、2001年まで郵便を取り扱っていた郵政省、
この郵政省が出来るまで逓信省(テイシンショウ)という省庁が郵便物や電信を取り扱っていました。
郵便マークである「〒」はこのテイシンショウの頭の「テ」の文字を取って図案化したものになります。
逓信省の逓信とは取り次いで音信を通ずる事という意味で宿駅から宿駅へ荷物を送る逓信と電信の文字を組み合わせたものだと言われています。
郵便番号の赤枠
ハガキの右上に赤い枠があるのはご存知かと思います。
これが郵便番号枠です。
7桁数字を入れられる枠になっており、3桁目と4桁目の間にハイフンが入っています。
なお、郵便ハガキや封筒をご自身で作成されて発送をするケースがあるかと思いますが、
郵便番号の赤枠はなくても問題ございません。
郵便番号で分かる情報
一般的に郵便番号は町域単位で設定されていますので、郵便番号のみで町域まで分かります。
例えば、住所が「東京都新宿区新宿5-10-12」の郵便番号は「160-0022」となりますが、
「160-0022」で分かる情報は「東京都新宿区新宿」までとなります。
郵便番号の上二桁は地域番号
郵便番号の上二桁の番号は「地域番号」と言います。
各都道府県に振り分けられており、一都道府県につき原則一つの地域番号が設定されていますが、北海道、福島県、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、長野県、新潟県、静岡県、愛知県、大阪府、京都府、兵庫県、岡山県、広島県、山口県、福岡県については複数の地域番号が振り分けられています。
□北海道⇒00、04、05~09 □青森県⇒03 □岩手県⇒02 □宮城県⇒98
□秋田県⇒01 □山形県⇒99 □福島県⇒96、97 □茨城県⇒30、31 □栃木県⇒32
□群馬県⇒37 □埼玉県⇒33~36 □千葉県⇒26~29 □東京都⇒10~20
□神奈川県⇒21~25 □新潟県⇒94、95 □富山県⇒93 □石川県⇒92 □福井県⇒91
□山梨県⇒40 □長野県⇒38、39 □岐阜県⇒50 □静岡県⇒41、42、43
□愛知県⇒44~49 □三重県⇒51 □滋賀県⇒52 □京都府⇒60、61、62
□大阪府⇒53~59 □兵庫県⇒65、66、67 □奈良県⇒63 □和歌山県⇒64
□鳥取県⇒68 □島根県⇒69 □岡山県⇒70、71 □広島県⇒72、73 □山口県⇒74、75
□徳島県⇒77 □香川県⇒76 □愛媛県⇒79 □高知県⇒78 □福岡県⇒80~83
□佐賀県⇒84 □長崎県⇒85 □熊本県⇒86 □大分県⇒87 □宮崎県⇒88
□鹿児島県⇒89 □沖縄県⇒90
住所の記載は省略する事が出来る
7桁の郵便番号に間違いがない場合、住所の市区町村(行政区名)まで記載を省略する事が出来ます。
住所の一部を省略する際は正しい郵便番号である事を確認し、町域以下を必ず記載する必要があります。
(例)
160-0022 東京都新宿区(←省略可能)新宿5-10-12 岩本ビル4F 株式会社ジャパンメール御中
160-0022 新宿5-10-12 岩本ビル4F 株式会社ジャパンメール御中
このような記載方法で十分です。
郵便番号を一桁でも間違えると全く別の場所に郵便物や荷物が輸送され、
通常より配達が大幅に遅れる原因となりますので、郵便番号の書き間違いには十分ご注意ください。
事業所専用の郵便番号
特に大企業が該当してきますが、郵便配達物数の多い事業所は
「大口事業所個別番号」という自社専用の郵便番号を持っている事があります。
大口事業所個別番号を記入して郵送をする際は宛名の住所を全て省略する事が出来ます。
※私書箱宛ての場合には省略は出来ません。
大口事業所個別番号の取得は郵便局にて申請を行いますが、
第一種定形郵便物および第二種郵便物の1日あたりの平均配達数が原則として50通以上の事業所といった条件がありますので、ご注意ください。
日本郵政から付与された郵便番号となりますので、ヤマト運輸や佐川急便などを使って発送される際には使用できない郵便番号となりますので、ご注意ください。
大口事業所個別番号は日本郵政のホームページからダウンロードする事が出来ます。
郵便番号は毎月1回更新され、新しい事業所が登録される事があります。
https://www.post.japanpost.jp/zipcode/download.html
郵便区番号
7桁の郵便番号の上3桁または5桁の番号は各郵便局の受け持ちエリア(郵便区)の番号となります。
3桁の郵便区番号には以下4桁、5桁の郵便区番号には以下2桁の番号が町域の番号となります。
□□□(郵便区番号)―□□□□(町域)
□□□―□□(郵便区番号)□□(町域)
バルク区分と郵便割引制度
郵便物を郵便局に差し出しする前に郵便番号毎に区分けして結束する事をバルク区分と言います。
2,000通以上の郵便物を送る際、バルク区分をする事で郵便料金が通常より割引になる事が出来るのです。
基本は上5桁が同じものを10通以上で束にして、上5桁で10通に満たないものは上3桁で同じように
上3桁で10通に満たなければ上2桁でまとめて上2桁でも10通に満たないものは雑という束にしてまとめます。
仕分けしたそれぞれの束を紐で十字結束し、束ごとに通数と区分けした桁の郵便番号
、配達猶予の種類を記入した紙を束の上に差し入れして、郵便局へ差し出しとなります。
なお、バルク区分をする事で受けられる割引制度には利用者区分割引と広告郵便割引というものがあります。
どちらも2,000通以上の発送が条件となりますが、利用者区分割引は3%~最大15%の割引、広告郵便割引は8%~最大43%の割引を受ける事が出来ます。
割引率は通数や形状など条件によって、全国一律で定められています。
広告郵便割引は郵便物が集客や収益を目的とした内容である事が条件の為、
事前に郵便局へ申請準備と広告審査もございますので余裕を持ったスケジュールを組む事が必要です。