郵便(紙)ダイレクトメールの開封率は87.5%
ダイレクトメールには、郵便・電子メール・FAXの3種類の媒体があります。
株式会社アイズファクトリーによるダイレクトメール調査によると、郵便(紙)によるダイレクトメールは87.5%の開封率があり、Eメールに比べ高い開封率を誇ることが分かりました。
郵便ダイレクトメールは、100%中64%の受信率に対し、開封率(既読)は87.5%。
電子メールによるダイレクトメールは、100%中85%の受信率に対し、開封率は82.4%。
携帯電話へ送られるダイレクトメールは、100%中44%の受信率に対し、開封率は70.5%。
特に若年層にとっては、「Eメールと異なる郵便物が珍しい」「開封するのを楽しみにしている」「読み応えがある」など、普段受け取るメルマガとのギャップにより好印象を与えているようです。
webのDMは宛名が無くても届くけど、心の奥までは届き難い
引用元:Twitter
僕のところには、ほぼ毎日、ダイレクトメールが届く。
ワクワクしてあける。引用元:Twitter
FAXの場合は、受け取り手がそのまま読む確率が高いので開封率はほぼ100%と言えますが、FAX機のインクトナーや紙を受け取る側が負担する広告手法である以上、少なからずクレームが発生する場合があります。
注目すべき行動喚起率
高い開封率を誇る紙ダイレクトメールですが、開封されただけでは真の効果は分かりません。
注目すべきは「話題にした」「ネットで調べた」「来店した」等の行動喚起率の高さです。
JDMA(一般社団法人 日本ダイレクトメール協会)が発表した「DMメディア実態調査2018」によると、紙ダイレクトメールの平均反応率は24%となっており、年代別の行動喚起率は男性20代59.4%、女性30代33.1%と平均を上回るスコアでした。
紙ダイレクトメールが若年層に対して高い訴求効果を持つことを示していることが分かります。
行動内容の内訳
行動喚起率24%のうち、具体的にどのような行動を起こしたのか、内容については以下の通りです。
行動内容 (DM受取1,305通に対して) |
比率 |
---|---|
ネットで調べた | 8.7% |
家族・友人等との話題にした | 4.3% |
店に出かけた | 3.0% |
購入・利用した | 2.8% |
資料請求した | 2.1% |
問合せた | 1.4% |
ネット上の掲示板等に書き込んだ | 0.3% |
会員登録した | 1.4% |
その他 | 0.8% |
参照元:「DMメディア実態調査2018」
このように、紙ダイレクトメールは様々な行動喚起が促せることが分かります。
ここまでの調査により、紙ダイレクトメールは
- 高い開封率
- 若年層に高い訴求効果がある
- 行動喚起を促すことができるツール
以上のことが期待できることが分かりましたが、さらに特筆すべき効果について掘り下げてみましょう。
紙ダイレクトメールの効果
届けたいターゲットに確実に届けられる
紙ダイレクトメールは、顧客の属性を絞り込むことにより、届けたいターゲットに確実に届けることができます。
そのため、個々に合ったメッセージを伝えることもできるため、オファー(DMを受け取った人だけが得られる特典。割引券やクーポン、イベント招待、無料キャンペーンなど)を同封した際も、DMを受け取った顧客が次のアクションを起こしやすいといった効果も期待できます。
特別感を演出し、コミュニケーションツールにもなる
紙ダイレクトメールは、デザイン表現やレイアウト、仕様などを工夫することで顧客が「自分のために送られてきたDMだ」と認識するような特別感を演出することができます。また、手元に置いておくことができるため、周囲の人に伝えやすくなるといった効果もあります。
反応率が測定できる
WEBサイト情報やQRコード、クーポンコードやお問合せ電話番号などを記載することによって、その反応率を測定できるといったメリットもあります。
ダイレクトメールの効果測定・改善を繰り返すことにより、成約につながりやすい内容が把握できるようになる効果もあります。
こんなターゲットにオススメ!
紙ダイレクトメールが、より効果的だと思われるターゲットは以下の通りです。
休眠顧客 | メールアドレスを取得できていない、またはアドレス変更があった顧客に有効です。 QRコードを印字することで、スマホサイトへ誘導が可能であり、どの顧客が反応あったかも確認できます。 |
---|---|
既存顧客 | 定期的な店舗誘導を促す際には紙でのDMが効果的です。割引クーポンなどを含めて活用します。 |
得意先 | 成約や購入をしてくれたお客様やお得意様にはタイミングよく確実に紙DMを送ると効果的です。 |
メール開封のない人 | メール開封されない場合、紙DMによりイベントやキャンペーンを認知してもらいます。 |
シニア層 | PC・スマホを活用しないシニア層は、紙で情報を得る習慣を大事にされております。 |
メアドを持たない若年層 | LINEやTwitterなどのSNSを活用している若年層には、紙DMを送ることで、大事なお知らせ等を周知します。 |
紙ダイレクトメールを活かすためのポイント
それでは実際に、行動喚起率の高い紙ダイレクトメールの効果を最大限に発揮するためにはどのようなポイントがあるのでしょうか?
ターゲットを絞り込む
自社の顧客はどういった人なのか具体的にターゲットを絞り込むことにより、確度の高い顧客に訴求することができ反応率を高めることができます。
ターゲットの絞り込みには「自社が提供したいサービス・商品」「自社の商品・サービスを必要としている人はどんな層か」を目安にします。
これにより、訴求効果の高いキャッチコピーやオファー(特典)などが盛り込まれたダイレクトメールを作ることができます。
その他、自社のサービスなどを以前利用してくれた既存顧客に送付するのも反応が期待できます。
あらかじめ送り先の顧客リストを持っていない場合には、宛名不要のダイレクトメール「タウンメール」「タウンプラス」を活用するのもオススメです。
>顧客リスト不要のダイレクトメール「タウンメール・タウンプラス」
最適な時期に発送する
ターゲットを絞り込み文面・内容を検討したとしても、DMの発送時期がターゲットにとって適切でない場合は反応は得られません。
ターゲットの需要に適した時期に発送することで反応率を高めることができます。
2020年販促カレンダー(外部リンク)を活用するのも良いでしょう。
読まれる形状で送る
日本ダイレクトメール協会が実施している「DM形状別の閲読状況」アンケートの結果によると、読んだ人が圧倒的に多いのは「はがき(圧着含む)」42.6%、次いで「封筒(A4サイズ未満)」24.4%となりました。
閲覧率が高い形状で送ることにより反応が得られる可能性も高まるため、まずは「はがき(圧着含む)」から始めてみると良いでしょう。
>ダイレクトメール(DM)の種類と特徴について詳しくはこちら
WEBと組み合わせた施策
第33回(2019年)のDM大賞を受賞したディノス・セシールは、送付したDMのQRコードから商品購入画面へ誘導し、コンバージョン率を20%増やすことに成功しました。
昨今ではデジタルとアナログを組み合わせたマーケティングの考え方が広がっており、成功事例も出始めている。
引用元:紙メディアは意外にも若年層に有効 3つの実証実験で明らかになったDMの効果を発表
紙ダイレクトメールは若年層の行動喚起効果が期待できますので、この特性を活かし、自社のWEBサイトやSNS(Twitter、Instagram、Facebook)へ誘導することがポイントです。
これにより顧客との接点が増え、ますます紙ダイレクトメールの活用の幅が広がるでしょう。
販売サイトが無い場合には、まずはSNSへの誘導をしてみるのも良いかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?ネット主流の今、高い反応が得られる紙ダイレクトメールの価値が見直されています。
EメールやFAXに比べコストはかかりますが、アナログな紙ダイレクトメールは手元に残る、形状や色で工夫できる、などの特性から顧客とのコミュニケーションを図る上で最適なツールです。
まずは低コストな普通はがきサイズからダイレクトメールを始めてみるのも良いかもしれません。