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ダイレクトメールの開封率を上げる7つのコツを解説【第32回】

ダイレクトメール(以下DM)は、ターゲットに向けて商品や製品、サービスなどをアピールする有効なマーケティング手法として数多くの企業で活用されていますが、中身の見えない封書DMの場合、まず受け取り手に封を開封して頂かないと何も始まりません。
そこで注目しておきたいのが、「DMの開封率」です。DM施策を成功に導くには、受け取り手が届いたDMをどのように処理しているのかに着目し、果たして開封したのかどうか、その中の情報を読み何らかのアクションを起こしてくれたのかなどを知ることが重要です。
この記事では、せっかく送付したDMが開封もされずそのままゴミ箱行きになることが無いよう、まずDMの開封率をアップさせるにはどのような方法があるかを解説していきます。

DMの開封率とは?

開封率とは、送ったDMの数に対して、その中で開封されたDMの数値のことで、一般社団法人日本ダイレクトメール協会が発表している「DMメディア実態調査2021」によりますと、世帯で受取ったDM2,105通の内、DMが開封・閲読されたのは79.5%(63.1%)と昨年(カッコ内の数値)と比べて増加していました。

そして、DMによる行動喚起として、何らかのアクションへとつながる行動をされた方が21.0%、そのうちネットで調べた8.0%、家族・友人との話題にした2.9%、店に出かけてみた1.8%、購入・利用したというのが3.4%、資料請求した2.8%、そして会員登録した方が1.7%という数値結果が出ています。

また調査では、「DMがどこから送られてきたか」が、受け取るかどうかの意思に影響するとしていて、以前に取引経験があるところからのDMが、74.0%だったのに対して、取引関係のない相手からのDMは19.0%と非常に大きな差が示されました。

DMの開封率を上げるポイント

DMの開封率を上げるためには、送付するターゲットについてよく知り、送り先を絞り込んだ上で送付することが重要です。また、受け取り手のDMに対する意識もポイントなので、送付前に以下の2点を行うことが必要です。

①ターゲットを最初に決める

開封率アップのため一番重要と考えられるのがDMを送るターゲットの選定です。
DMで訴求したい内容にマッチしたターゲットを選定し、内容もターゲットの興味・関心に即したものを制作することで開封率は上がるとされています。
つまり、ターゲットにマッチした情報をDMに掲載すればシンプルかつ分かりやすいものになりますし、ターゲティングすることで顧客の属性や状況にマッチしたDMを送れるからです。

顧客の情報を多様に集める

ターゲットを絞ることにも関連しますが、送付先が個人なら年齢・性別・職業・趣味など、法人の場合は会社の規模・業種・所在地などで顧客を分類して分析しておくことで、受け取り手(顧客)が自社の製品、商品、サービスを必要としているかどうかを知ることができ、結果ターゲットマッチングの精度も高くなります。

そのため、多様な顧客情報を少しでも多く集めることを日頃から行っておきましょう。

DMの開封率を上げる7つのコツとは

DMの送付先ターゲットが絞り込めたなら、次のステップはいかに受け取り手がDMを開封してくれるかです。
開封しやすくする工夫をDMに施すことで、開封率も大きく変化していきます。

① イレギュラーサイズのDMを送る

DMというと通常、ハガキや長3封筒を使うスタンダードな形状が多いものですが、大判ハガキや細長型のハガキ、箱型の封筒など、通常の郵便物とは違う形状のDMを送るといった方法があります。
人間の心理として、通常とは異なるものに敏感な反応を示すことから、あえて通常とは違う形状のもの送付することで、DMそのものへの興味・関心を引き上げ、開封率や反応率を高めるというものです。

②開封しやすい材料で情報量を増やす

通常のハガキなら、表と裏をパっと見て、興味がなければそれで終わりですが、そんなときはより多くの情報量を載せられる圧着ハガキを使うのがお勧めです。
圧着ハガキは、中に隠れている情報を探ってみたいという気持ちに駆られ、つい開けてみたくなるため、大変開封率の高いアイテムと言えます。なお、圧着ハガキには、開く面が1面しかないV型と、2面あるZ型があり、より多くの情報料を載せるにはZ型がお勧めです。

③開封を促す仕掛けを活用する

DMの開封を促す仕掛けというのは、受け取ったときに「封筒の中身を知りたい」「開封してみないと捨てられない」という気持ちにさせる仕掛けのことです。
中身が気になることは開封するきっかけとなるわけですから、受け取り手へのオファーを目立たせることが必要です。そのためにオファーが封筒内にあることを封筒の表面で紹介して、開封のきっかけづくりをしましょう。
また、オファーに興味を抱いてもらうためにも、オファーの画像や開封したくなるキャッチコピーなどを封筒に印刷しておくことをお勧めします。
たとえば、オファーが「化粧品サンプル」であれば、そのサンプルを使ってどのようなことが実現できるのかを短い文章で伝えるといったことです。
他にも、封筒に「親展」「至急」「緊急」「重要」などといった文言を載せる方法もあります。

④封筒選びを考える

開封率を上げるためには、紙封筒のように中身が見えないものではなく、中身が視認できる透明のビニール封筒を使こともお勧めです。
封筒を見ただけで中身がわかるため受け取り手は安心感がありますし、内容を視認できるので商品やサービスへの興味さえ引ければ開封率アップに繋がります。
なお、開封するときに手間がかからないミシン目加工を施すなど、開けやすい封筒選びも開封率アップのポイントです。

⑤封筒の宛名を手書きにして切手を貼る

開封率を上げるなら、宛名を手書きにして切手を貼って出すことも大変効果的です。
大量に出すDMの宛名は、通常印字機を使ってゴシック体や明朝体で印字されます。また、切手を貼る手間を省くため、一般的なDM場合は切手の代わりに郵便別納マークが印刷されていいます。

一般的なDMといえばそれがごく当たり前の中で、手書きの宛名や切手が貼られているのは大変珍しいためすぐ目につきますし特別感があります。
また、ある企業では、宛名を手書きにするだけでなく、敢えて封筒に差出人名を載せずに出したことがありました。その結果、開封率はなんと100%に達し、反応率も爆上がりしたという事例があります。但し、この方法はクレームになる恐れもあるので実施には十分な注意が必要です。
なお、宛名だけでなく、同封する挨拶文やお礼文も手書きすることで受け取り手に好印象を与え、その結果反応率が高くなることも証明されています。

⑥発送のタイミングを見極める

DMは、ターゲットが興味を持もちやすいタイミングを見据えて発送することが重要です。提供する商品やサービスによっても多少異なりますが、それが高額ならばボーナス時期の直前がベストタイミングと言えます。
また、誕生日など、ターゲットにとって特別な日の一か月前に発送するのも良いタイミングでしょう。他にも、クリスマスや子供の日といった季節ごとのイベント時期、3~4月の新生活をスタートするタイミングなども開封率アップの効果が期待できます。

⑦ 速達や簡易書留で出す

送料が大変割高になるため大量発送には適しませんが、速達や簡易書留でDMを出すと開封率はほぼ100%に達します。高額な商品やサービスで尚且つターゲットを徹底的に絞り込めるならば試す価値のある方法です。

まとめ

DMは、自社の商品やサービスをたくさんの人々に紹介する手段として大変有効な方法ですし、そのDMを活用して魅力的なプロモーションを展開するのも重要ですが、まずは受け取り手に開封されなければ何も始まりません。
そのため、ただDMを出せばよいというのではなく、どうしたら開封されるのかを考え、少しでも開封率を上げるための工夫を施すことがとても重要です。
貴社のDM戦略に、今回ご紹介した開封率アップ7つのコツをぜひお役立て下さい。